大きないびきや寝ている間に呼吸が止まるといった症状を指摘されたことはありませんか。これらは睡眠時無呼吸症候群を疑わせる症状ですが、寝ている間の症状のため、ご自分ではわからないことがほとんどです。しかし、この病気は他にも昼間の眠気、夜中に何度も目が覚める、熟睡感が得られない、起床時の頭痛など、さまざまな症状を引き起こしますますので、これらの症状はご自分でも気付くことができます。
重症の睡眠時無呼吸症候群の場合、適切な治療をしないと心血管障害で死亡するリスクが高いという研究結果が最近報告され、高血圧や糖尿病、脳梗塞といった病気と、強い関連があることがわかってきました。
図は、重症、中等症の睡眠時無呼吸のある患者さんと睡眠時無呼吸のない人が、命に関わる心筋梗塞などの虚血性心疾患にかかる頻度を示したものです。重症の睡眠時無呼吸のある方は、頻度が高いことがわかります。しかし、あとで述べますマスク治療(CPAP:持続的陽圧呼吸治療)を行いますと、その危険はほぼ正常の方と変わらない程度まで低下します。